女の腹の中で、じたばたでんぐり返しを打って騒ぐ、噛《か》み合う、掴み合う、引掻《ひっか》き合う。
この騒ぎが一団《ひとかたまり》の仏掌藷《つくねいも》のような悪玉《あくだま》になって、下腹から鳩尾《みずおち》へ突上げるので、うむと云って歯を喰切《くいしば》って、のけぞるという奇病にかかった。
はじめの内は、一日に、一度二度ぐらいずつで留《とま》ったのが、次第に嵩《こう》じて、十回以上、手足をぶるぶると震わして、人事不省で、烈《はげ》しい痙攣《けいれん》を起す容体だけれども、どこもちっとも痛むんじゃない。――ただ夢中になって反っちまって、白い胸を開けて見ると、肉へ響いて、団《かたまり》が動いたと言います。
三度五度は訳も解らず、宿のものが回生剤《きつけ》だ、水だ、で介抱して、それでまた開きも着いたが、日一日数は重なる。段々開きが遅くなって、激《はげし》い時は、半時も夢中で居る。夢中で居ながら、あれ、誰《た》が来て怨《うら》む、彼《か》が来て責める、咽喉《のど》を緊《し》める、指を折る、足を捻《ねじ》る、苦しい、と七転八倒。
情人が押懸けるんです。自分で口走るので、さては、と皆《み
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