めき》。……
お先達、ここなんです。
二人で心配をしてやろうと言ったは、今だ。疾《はや》くその遁口《にげぐち》から母屋に抜けよう。が、あるいは三方から引包《ひッつつ》んで、誘《おび》き出す一方口の土間は、さながら穽穴《おとしあな》とも思ったけれども、ままよ、あの二人にならどうともされろ!で、浅茅生へドンと下りた、勿論|跣足《はだし》で。
峰も谷も、物凄《ものすご》い真夜中ですから、傍目《わきめ》も触《ふ》らないで土間へ辷《すべ》り込む。
ずッと遥《はるか》な、門《かど》へ近い処に、一間、煤《すす》けた障子に灯《あかり》が射《さ》す。
閨《ねや》は……あすこだ。
難有《ありがた》い、としっとり、びしょ濡れに夜露の染《し》んだ土間を、ぴたぴたと踏んで、もっとも向うの灯は届かぬ、手探りですよ。
やがて、その土間の広くなった処へ掛《かか》ると、朧気《おぼろげ》に、縁と障子が、こう、幻のように見えたも道理、外は七月十四日の夜《よ》の月。で、雨戸が外れたままです。
けれども峰を横倒しに戸口に挿込んだように、靄《もや》の蔓《はびこ》ったのが、頭《かしら》を出して、四辺《あたり》は一
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