は切れたんです、少《わか》い人が、いそいそ入って来ましたから。……
ところで、俯向《うつむ》いていた顔を上げて、それとなく二人を見較べると、私には敵《かたき》らしい少《わか》い人の方が、優しく花やかで、口を利かれても、とろりとなる。味方らしい年上の方が、対向《さしむか》いになると、凄《すご》いようで、おのずから五体が緊《しま》る、が、ここが、ものの甘さと苦さで、甘い方が毒は順当。
まあ、それまでですが、私の身に附いて心配をしますと云ったのに、私《わたくし》ども二人して、と確《たしか》に言った。
すると、……二人とも味方なのか、それとも敵《かたき》なのか、どれが鬼で、いずれが菩薩《ぼさつ》か、ちっとも分りません。
分らずじまいに、三人で鮨《すし》を食べた。茶話に山吹も出れば、巴《ともえ》も出る、倶利伽羅の宮の石段の数から、その境内の五色《ごしき》の礫《こいし》、==月かなし==という芭蕉《ばしょう》の碑などで持切って、二人の身の上に就いては何も言わず、またこっちから聞く場合でもなかったから、それなりにしましたが、ただふと気に留《とま》った事があります。
少《わか》い女が持出した
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