がたがたと身震いしたが、面《おもて》は幸《さいわい》に紅潮して、
「ああ、腸《はらわた》へ沁透《しみとお》る!」
「何かその、何事か存じませぬが、按摩は大丈夫でござります。」と、これもおどつく。
「まず、」
 と突張《つッぱ》った手をぐたりと緩めて、
「生命《いのち》に別条は無さそうだ、しかし、しかし応《こた》える。」
 とがっくり俯向《うつむ》いたのが、ふらふらした。
「月は寒し、炎のようなその指が、火水となって骨に響く。胸は冷い、耳は熱い。肉《み》は燃える、血は冷える。あっ、」と言って、両手を落した。
 吃驚《びっくり》して按摩が手を引く、その嘴《くちばし》や鮹《たこ》に似たり。
 兄哥《あにい》は、しっかり起直って、
「いや、手をやすめず遣ってくれ、あわれと思って静《しずか》に……よしんば徐《そっ》と揉まれた処で、私は五体が砕ける思いだ。
 その思いをするのが可厭《いや》さに、いろいろに悩んだんだが、避《よ》ければ摺着《すりつ》く、過ぎれば引張《ひっぱ》る、逃げれば追う。形が無ければ声がする……ピイピイ笛は攻太鼓《せめだいこ》だ。こうひしひしと寄着《よッつ》かれちゃ、弱いものに
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