り療治してあげておくれ。それなりにお寝《よ》ったら、お泊め申そう。」
 と言う。
 按摩どの、けろりとして、
「ええ、その気で、念入りに一ツ、掴《つかま》りましょうで。」と我が手を握って、拉《ひし》ぐように、ぐいと揉《も》んだ。
「へい、旦那。」
「旦那じゃねえ。ものもらいだ。」とまた呷《あお》る。
 女房が竊《そっ》と睨《にら》んで、
「滅相な、あの、言いなさる。」

       十一

「いや、横になるどころじゃない、沢山だ、ここで沢山だよ。……第一背中へ掴《つか》まられて、一呼吸《ひといき》でも応《こた》えられるかどうだか、実はそれさえ覚束《おぼつか》ない。悪くすると、そのまま目を眩《まわ》して打倒《ぶったお》れようも知れんのさ。体《てい》よく按摩さんに掴み殺されるといった形だ。」
 と真顔で言う。
「飛んだ事をおっしゃりませ、田舎でも、これでも、長年年期を入れました杉山流のものでござります。鳩尾《きゅうび》に鍼《はり》をお打たせになりましても、決して間違いのあるようなものではござりませぬ。」と呆《あき》れたように、按摩の剥《む》く目は蒼《あお》かりけり。
「うまい、まずいを言
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