にあたるような響きが遠くから来るように聞える鳥の声は、梟《ふくろう》であった。
一ツでない。
二ツも三ツも。私に何を談《はな》すのだろう、私に何を話すのだろう。鳥がものをいうと慄然《ぞっ》として身の毛が弥立《よだ》った。
ほんとうにその晩ほど恐《こわ》かったことはない。
蛙《かわず》の声がますます高くなる、これはまた仰山な、何百、どうして幾千と居て鳴いてるので、幾千の蛙が一ツ一ツ眼があって、口があって、足があって、身体《からだ》があって、水ン中に居て、そして声を出すのだ。一ツ一ツ、トわなないた。寒くなった。風が少し出て、樹がゆっさり動いた。
蛙の声がますます高くなる。居ても立っても居られなくッて、そっと動き出した。身体《からだ》がどうにかなってるようで、すっと立ち切れないで踞《つくば》った、裙《すそ》が足にくるまって、帯が少し弛《ゆる》んで、胸があいて、うつむいたまま天窓《あたま》がすわった。ものがぼんやり見える。
見えるのは眼だトまたふるえた。
ふるえながら、そっと、大事に、内証で、手首をすくめて、自分の身体《からだ》を見ようと思って、左右へ袖をひらいた時、もう、思わず
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