キャッと叫んだ。だって私が鳥のように見えたんですもの。どんなに恐かったろう。
この時、背後《うしろ》から母様《おっかさん》がしっかり抱いて下さらなかったら、私どうしたんだか知れません。それはおそくなったから見に来て下すったんで、泣くことさえ出来なかったのが、
「母様《おっかさん》!」といって離れまいと思って、しっかり、しっかり、しっかり襟ん処《とこ》へかじりついて仰向《あおむ》いてお顔を見た時、フット気が着いた。
どうもそうらしい、翼《はね》の生えたうつくしい人はどうも母様であるらしい。もう鳥屋には、行《ゆ》くまい。わけてもこの恐しい処へと、その後《のち》ふっつり。
しかしどうしてもどう見ても、母様にうつくしい五色《ごしき》の翼《はね》が生えちゃあいないから、またそうではなく、他《ほか》にそんな人が居るのかも知れない、どうしても判然《はっきり》しないで疑われる。
雨も晴れたり、ちょうど石原も辷《すべ》るだろう。母様はああおっしゃるけれど、わざとあの猿にぶつかって、また川へ落ちてみようかしら。そうすりゃまた引上げて下さるだろう。見たいな! 羽の生えたうつくしい姉さん。だけれども、
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