(鳥なの、母様《おっかさん》。)とそういってその時私が聴いた。
これにも母様は少し口籠《くちごも》っておいでであったが、
(鳥じゃあないよ、翼《はね》の生えた美しい姉さんだよ。)
どうしても分らんかった。うるさくいったら、しまいにゃ、お前には分らない、とそうおいいであったのを、また推返《おしかえ》して聴いたら、やっぱり、
(翼《はね》の生えたうつくしい姉さんだってば。)
それで仕方がないからきくのはよして、見ようと思った。そのうつくしい翼のはえたもの見たくなって、どこに居ます/\[#「/\」はママ]ッて、せッついても、知らないと、そういってばかりおいでであったが、毎日々々あまりしつこかったもんだから、とうとう余儀なさそうなお顔色《かおつき》で、
(鳥屋の前にでもいって見て来るが可《い》い。)
そんならわけはない。
小屋を出て二町ばかり行《ゆ》くと、直ぐ坂があって、坂の下口《おりくち》に一軒鳥屋があるので、樹蔭《こかげ》も何にもない、お天気のいい時あかるいあかるい小さな店で、町家《まちや》の軒ならびにあった。鸚鵡《おうむ》なんざ、くるッとした、露のたりそうな、小さな眼で、
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