けつきよく》麻雀界《マアジヤンかい》から抹殺《まつさつ》されるに到《いた》つたなどは甚《はなは》だ殷鑑《ゐんかん》遠《とほ》からざるものとして、その心根《こゝろね》の哀《あは》れさ、僕《ぼく》は敢《あ》へて憎《にく》む氣《き》にさへならない。同《おな》じ不正《ふせい》を企《くわだて》るのならば、百三十六|個《こ》の麻雀牌《マアジヤンパイ》の背中《せなか》の竹《たけ》の木目《もくめ》を暗記《あんき》するなどは、その努力感《どりよくかん》だけでも僕《ぼく》には寧《むし》ろ氣持《きもち》がいい。
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日本《にほん》の麻雀《マアジヤン》も近頃《ちかごろ》は少々《せう/\》猫《ねこ》も杓子《しやくし》もの感《かん》じになつてしまつたが、僅《わづ》か四五|年《ねん》ほどの間《あひだ》にこれほど隆盛《りうせい》を見《み》た勝負事《しようぶごと》はあるまいし、またこれほど組織立《そしきだ》つて麻雀《マアジヤン》を社會化《しやくわいくわ》したのも日本《にほん》だけではあるまいか? 圍碁《ゐご》や將棊《しやうぎ》や花合《はなあは》せの傳統《でんとう》は長《なが》い。撞球《どうきう》にしても
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