麻雀を語る
南部修太郎

−−
【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)話《はなし》は

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)十一|年《ねん》の

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)里見※[#「弓+享」、第3水準1−84−22]

/\:踊り字
(例)少々《せう/\》
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
−−

     1

 話《はなし》はだいぶ古《ふる》めくが、大正《たいしやう》十一|年《ねん》の秋《あき》の或《あ》る一|夜《や》のことだ。三ヶ|月《げつ》ほどの南北支那《なんぼくしな》の旅《たび》を終《をは》つて、明日《あした》はいよいよ懷《なつか》しい故國《ここく》への船路《ふなぢ》に就《つ》かうといふ前《まへ》の晩《ばん》、それは乳色《ちゝいろ》の夜靄《よもや》が町《まち》の燈灯《ともしび》をほのぼのとさせるばかりに立《た》ち罩《こ》めた如何《いか》にも異郷《いきやう》の秋《あき》らしい晩《ばん》だつたが、僕《ぼく》は消息通《せうそくつう》の
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