《かくか》の昇天《しようてん》の御勢《おんいきほひ》にはわたくし共《ども》まるで木《こ》つ葉《ぱ》微塵《みぢん》の有樣《ありさま》でございましたな。」
「ふふふふ、弱《よわ》いなうお前等《まへら》は……」
定《さだ》めてあの張作霖《ちやうさくりん》がそんな風《ふう》に相好《さうかう》を崩《くづ》してのけぞり返《かへ》つただらうと思《おも》ふと、その昔《むかし》馬賊《ばぞく》の荒武者《あらむしや》だつたといふ人《ひと》のよさ[#「よさ」に傍点]も想像《さうざう》されて、無殘《むざん》な爆彈《ばくだん》に血染《ちぞ》められたと言《い》ふその最後《さいご》が傷《いた》ましくも感《かん》じられはしないだらうか?
張作霖《ちやうさくりん》と言《い》はず、如何《いか》に支那人《しなじん》が麻雀《マアジヤン》を好《す》くかといふことはいろいろ話《はなし》に聞《き》くが、驚《おどろ》くことは彼等《かれら》二|日《か》も三|日《か》も不眠不休《ふみんふきう》で戰《たゝか》ひつづけて平氣《へいき》だといふことだ。僕《ぼく》、この遊《あそ》びを覺《おぼ》えてから足掛《あしか》け五|年《ねん》になるが、食
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