》の張作霖《ちやうさくりん》は非常《ひじやう》な麻雀好《マアジヤンず》きだつたと言《い》ふ。何《なん》でも第《だい》二|次《じ》奉直戰爭《ほうちよくせんさう》の時《とき》などは自分《じぶん》の方《はう》の旗色《はたいろ》がよかつたせゐもあつただらうが、戰線《せんせん》のことは部下任《ぶかまか》せにして置《お》いて、宮苑《きうゑん》の奧深《おくふか》くお氣《き》に入《い》りの嬪妾《ひんせう》や嬖臣達《へいしんたち》を相手《あひて》に日《ひ》もす夜《よ》もす麻雀《マアジヤン》に耽《ふけ》り樂《たの》しんでゐたと言《い》ふ。で、そこはまた拔目《ぬけめ》のない所謂《いはゆる》政商《せいしやう》などは莫大《ばくだい》もない金《かね》を賭《か》けて張《ちやう》と卓子《たくし》を圍《かこ》む。そして、わざと負《ま》ける。想像《さうざう》すれば、始終《しじう》青一色《チンイイソオ》をさせたり、滿貫役《まんぐわんやく》をつけさせたりするのだらうが、それが自然《しぜん》と取《と》り入《い》りの阿堵物《あとぶつ》になることは言《い》ふまでもない。
「いや、何《なん》とも何《なん》とも。今日《こんにち》の閣下
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