ス一方たとえばベンガリの 〔gala_〕 などを通してかなり東洋にも広がっているのかもしれないと想像される。もっと空想をたくましくすれば邦語のゴロなどというのも少しは怪しくなるくらいである。(鳥のアラビア語 tair. [#「t」は下点付き、182−6]咽喉《のど》のシナ語 hou lung)。
こういう種類のではたとえばたっつけ袴《ばかま》のカルサンというのがインドへんから来ているかと思うと、イタリアにも類似の名が出て来たりするのである。(タミール語 Kalisan. イタリア語 Calzoni)。
しかしこれらの例をあげたのは、決してこれらの語が邦語と因果的に関係しているという事を証明するためではなく、むしろただいかなる任意の二つの国語を取って比較しても、この種の類似がありうるものであるという事の例として取ったに過ぎない。それでたとえば、他方で「魚」や「鳥」の訓がシナ語や台湾語で説明されるとか、されないとかいう事は、ここでは問題にならないのである。
ともかくも自分の皮相的な経験によると、いかなる国語の語彙《ごい》の比較でもあまりにおもしろい「発見」があり過ぎるような気がするの
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