こういう点で頭がよくて男のほうが劣っているように思われる。女のほうは頭のいいようなのが映画を志す、男の頭のいいのは他の方面にいくらも道があってみんなそのほうへ行ってしまう、といったようなこともいくらかあるのではないかという気がする。ただし男のほうにも自分の知っているだけでも四五人くらいは相当頭のいいのがいるようであるが、平均の上で多少そうした傾向がありはしないか。
 安アパートの夜の雨の場面にももう少しの俳諧がほしいような気がした。
 前途有望なこの映画の監督にぜひひと通りの俳諧修行をすすめたいような気がしているのである。

     十六 外人部隊

 たいへんに前評判のあった映画であるが自分にはそれほどでなかった。言葉のよくわからないせいもあろうがいったいに前のスターンバークの「モロッコ」などに比べて歯切れが悪くてアクセントの弱い作品のように思われる。見ていて呼吸のつまるような瞬間が乏しく、全体になんとなくものうい霧のようなもののかかった感じがする。
 役者では主役のピエールよりも脇役《わきやく》のニコラというロシア人がわざとらしくないいかにもその人らしいところがよかった。イルマと
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