、母ちゃんに叱られま」
「なんぜ叱られるねン」
「なんぜ言うたかテ、刺青いうたら、まともな人間のするもんと違いまっしゃろ」
 次郎はませた口調だが、さすがに少年らしくぶるぶるふるえた声で言った。
「そら考えちがいやぜ」
 と、針助はネチネチとした口調で、言いきかせるように、
「――刺青いうたら、ええもんやぜ。だいいちお前ら掏摸になるネやったら、刺青の一つぐらいしとかんと、幅が利かん。刺青をしてるのンと、してへんのと仲間での顔の売れ方がちがう。ええ兄貴分になろうおもたら、刺青にものを言わすのが一番やぜ」
「いやだす、いやだす」
「わいもいやや」
 次郎と三郎は口をそろえて言った。
「いやか。ほんまに、いやか」
 針助の声は急に凄んだが、ふと優しい女のような声に戻ると、
「あはは……、まア、パンでも食べろ」
 と、またふところから差し出した。
「…………」
 次郎と三郎はしかし、もう出されたパンに手を出そうとしなかった。
 針助はギラギラ燃える眼で、なめるように二人を見つめていた。
 二人の身体つきは少女のようにきゃしゃで、首筋は垢でよごれているが、垢の下の皮膚は少女のように白く、何か哀れ
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