しながら、針助は、
「お前ら、まだ新米の掏摸やろ」
 と、言った。
「…………」
「下手くそやぞ、お前らの掏り方は……」
「今夜はじめてだす」
 次郎は蚊の鳴くような声を出して、
「――かんにんしとくなはれ、大将」
 と、ぺこんと頭を下げた。
「はじめてや……?」
 と、針助はにやにやして、
「――そやろ、新米でなかったら、あんな下手な掏り方はせん。どや、おっさんが一つ仕込んだろか」
「えっ……?」
「おっさんとこイ、来たらいつでも仕込んだる。一人前の掏摸になるネやったら、おっさんの云うことをきいたら、間違いない。まず刺青をするこっちゃ。ええ顔の掏摸になれるぜ」
「…………」
「どや、もっと食べるか」
 と、針助はまたパンを出した。
「おっさんとこイ来たら、いつでもパンを食べさせたる」
「おおけに……」
「それから……」
 と、にやりと笑って、
「――刺青をしたる」
「えっ……?」
 刺青ときいて、次郎と三郎はまるで腰を抜かしてしまった。
「刺青はして貰わんでもかめしめへん」
 次郎はあわてて言った。
「なんぜや」
 と、ガマンの針助は云った。
「なんぜかテ……。刺青みたいなもンしたら
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