さって眠っているようだった。やがて、ふと顔を上げると、
「あんたの役はいい役やなア。同じ自首をすすめるのでも、おれの方は悪い役まわりや」
しょんぼりした声だが、しかしふとえくぼが泛び、したたるような微笑をたたえながら豹吉は言った。
小沢は急に眉を曇らせた。
「あんたの役はいい役やなア」
という豹吉の言葉が、皮肉のようにも、また小沢を責めているようにも聴えたのだ。
なるほど、考えてみれば、小沢は得意の雄弁にものを云わせて、豹吉に自首の決心をさせることに成功したが、もうそれだけで充分満足すべきであった。
が、小沢はなおそれ以上のことを、要求した。ブルウスカイで待っている青蛇団の連中を説き伏せて、一緒に自首しろ――という難題だ。
豹吉にとって、これほど辛いことがまたとあろうか。
むごい――という言葉があてはまる。たしかに、むごすぎる。
さすがの小沢も、
「おれは今血も涙もない、非情の石ころになっているのかも知れないぞ」
と、もはや豹吉の顔を正視するにしのびなかった。
「しかし、心を鬼にして――ということがある」
大阪の市民のため、ひいてはこの国の社会の秩序のため――いや
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