もの》等《とう》で、生徒《せいと》の父兄姉妹《ふけいしまい》は朝《あさ》からぞろ/\と押《おし》かける。取《と》りどりの評判《ひやうばん》。製作物《せいさくぶつ》を出《だ》した生徒《せいと》は氣《き》が氣《き》でない、皆《み》なそは/\して展覽室《てんらんしつ》を出《で》たり入《はひ》つたりして居《ゐ》る自分《じぶん》も此《この》展覽會《てんらんくわい》に出品《しゆつぴん》する積《つも》りで畫紙《ゑがみ》一|枚《まい》に大《おほ》きく馬《うま》の頭《あたま》を書《か》いた。馬《うま》の顏《かほ》を斜《はす》に見《み》た處《ところ》で、無論《むろん》少年《せうねん》の手《て》には餘《あま》る畫題《ぐわだい》であるのを、自分《じぶん》は此《この》一|擧《きよ》に由《よつ》て是非《ぜひ》志村《しむら》に打勝《うちかた》うといふ意氣込《いきごみ》だから一|生懸命《しやうけんめい》、學校《がくかう》から宅《たく》に歸《かへ》ると一|室《しつ》に籠《こも》つて書《か》く、手本《てほん》を本《もと》にして生意氣《なまいき》にも實物《じつぶつ》の寫生《しやせい》を試《こゝろ》み、幸《さいは》ひ自分《じ
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