トは、まず、インタナショナルの精神を高揚する。「インタナショナルとは、国際的乃至世界的団結、全世界的同盟という意味である。」ブハーリン監輯の「インタナショナル発展史」にはそう説明してある。
 資本主義がすさまじい勢力を以て発展して、国際的威力として、プロレタリア階級に迫ってきた時、労働者階級の中から、吾々自身のインタナショナル的な組織体を作って、資本主義に対抗しようとした。それが、国際的労働者団結である。
 プロレタリアートの戦争反対文学は、帝国主義××に反対すると共に、労働者階級の国際的団結の思想を鼓吹するものである。

   二、プロレタリアートと戦争

      一

 プロレタリアートは、社会主義の勝利による階級社会の廃棄がなければ、戦争は到底なくならないということを理解する。プロレタリアートの戦争に対する態度は、ブルジョア平和主義者や、無政府主義者や、そういう思想から出発した反戦文学者とは、原則的に異っている。被支配階級が支配階級に対してやる闘争は必要で、進歩的な価値があると考える。奴隷が奴隷主に対しての闘争、領主に対する農奴の闘争、資本家に対する労働者の闘争は必要である。
前へ 次へ
全29ページ中18ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
黒島 伝治 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング