反戦文学論
黒島伝治
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)戦争を誡《いまし》め
|:ルビの付いていない漢字とルビの付く漢字の境の記号
(例)一時間四|仙《セント》の
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#ここから2字下げ]
/\:二重の繰り返し記号
(例)いろ/\な種類が
×:伏せ字
(例)帝国主義××である。
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一、反戦文学の階級性
一
戦争には、いろ/\な種類がある。侵略的征服的戦争がある。防禦戦がある。又、民族解放戦争、革命も、そこにはある。
戦争反対の文学は、かなり昔から存在して居るが、ブルジョアジーの戦争反対文学と、現代プロレタリアートの戦争反対文学とは、原則的に異ったものを持っている。戦争反対の意図を以て書かれたものは、古代ヘブライの予言者マイカのものゝ中にもある。民族間の戦争を誡《いまし》め、平和を説いたものであるが、文字に書かれた、恐らく最古のものであろう。旧約にはいっている。しかし、そういう昔のことにまでかゝずらっているヒマがない。近代文学には、明かに、戦争反対の意図を以て書
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