り長く抑えつけているということになるのだ。満洲や台湾の苦力《クーリー》や蕃人を動物を使うように酷使して、しこたま儲けてきた金で、資本家は、ダラ幹や、社会民主主義者どもにおこぼれ[#「おこぼれ」に傍点]をやるだろう。しかし、革命[#「革命」に白丸傍点]的プロレタリアートに対しては、徹底的に弾圧の手をゆるめやしないのだ。
 なお、そればかりではない。第三期に這入《はい》って帝国主義戦争[#「戦争」に白丸傍点]が間近かに切迫して来るに従って、ブルジョアジーは入営する兵士たちに対してばかりでなく、全国民を、青年訓練所や、国家総動員計画や、その他あらゆる手段をつくして軍国主義化しようと狂奔している。そして、それはまた、労働者農民の祖国サヴェート同盟に対[#「対」に白丸傍点]する戦争[#「戦争」に白丸傍点]の準備[#「準備」に白丸傍点]ともなっているのだ。
 こういう時にあたって、全国から十二万の働いている青年たちが、初年兵として兵営の中へ吸いこまれて行く。ブルジョアジーは労働者や、労働者や農民の出身である兵士たちを完全に彼等の道具に使おうとして、軍国主義化しようとしている。
 だが青年たちは軍隊
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