人労働者たちの反抗[#「反抗」に白丸傍点]を鎮圧するために使われているのだ。台湾に於てもそうである。台湾の蕃人に対しては、日本[#「日本」に白丸傍点]帝国主義のやり口は一層ひどかったのだ。強制的に蕃人の作ったものを徴発したのだ。潭水湖《たんすいこ》の電気事業工事のために、一日十五六時間働かして僅かに七銭か八銭しか賃銀を与えず、蕃人に労働を強要したのだ。そしてその電気事業のために、蕃人の家屋や耕作地を没収しようとしたのだ。蕃人の生活は極端に脅かされた。そこで、 蕃人たちは昨年十月立ち上った。すると、日本[#「日本」に白丸傍点]帝国主義は軍隊をさしむけ、飛行機、山砲、照明砲、爆弾等の精鋭な武器で蕃人たちを殺戮しよう[#「殺戮しよう」に白丸傍点]とした。その蕃人征伐に使われたのも兵士たちだ。
兵士たちは、こういう植民地の労働者を殺戮するために使われ、植民地を帝国主義ブルジョアジーに最も都合がいいように確保するために使われ、(そのために負傷する者もある。病気にかゝる者もある。)その結果はどうなるか?
その結果は、帝国主義ブルジョアジーが、一日だけ余命を長く保って、労働者農民の頭を一日だけよ
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