た。
三
さあ、村にきました。おゝ、この堀。あの橋。水車場からはあかりがもれてゐます。山ぎはにあるコーリヤの大きな家では、コーリヤをむかへるやうに大きな門があけてあります。そりは、いきほひよく門の中へかけこみました。すると家中はさつきコーリヤが考へたとほりに、おほさわぎでした。ガブリーラや、ミハイラやバラーシュカたちは、気ちがひのやうにかけまはつて、なんだか、どなつてゐます。犬はよろこんでほえたてます。戸があいて、ぢいやのドウーニヤが手にろうそくをもつてとび出してきました。馬はあらあらしく白い息をはいて、いせいよく鈴をならしました。家の窓々には、あかりが走りあるいてゐます。あすこにランプをもつてゐるのはだれでせう。あゝお母さんだ。
「さァ、下りた。」とリカがいひます。
「あッ、しびれが切れた。」
それから一分の後には、コーリヤは、大きな、だきついてやりたいほどなつかしい、おなじみの湯わかし器が、ちん/\いつてゐるそばに、すわつてゐました。
「お母さん、ね、ぼくリカに乗せてきてもらつたの。」
「あら、ニキフォールぢあなかつたの?」
「えゝ。」
お父さまはニキフォールの
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