に隠して置きましたが、お願いですから、親爺に用ありげな顔をして私の家へ行き、寝間に忍び込んで床柱の根もとの節穴に指を突き込み、富籤を捜し出して、当っているかどうか、調べてみて下さい。当っているといいんですけれどもね。たぶん当っていないかと思いますが、でも、とにかく、念のために調べて見て下さいまし。お願いついでに、橋向うの質屋へ行って、私がたしか一両であずけて置いた二寸ばかりの小さな観音像を受け出して下さいませんか。他の品は、みな流してもいいのです。あの観音像だけは、是非とも受け出して下さい。あれは、ばばさまからおまもりとして幼少の頃もらったもので、珊瑚《さんご》に彫ったものですから、一両では安すぎるのです。受け出して、道具屋の佐兵衛に二十両で売って下さい。佐兵衛は、あれを二十両でいつでも引取ると言っていたのです。ついでに私の寝間の、西北の隅《すみ》の畳の下に色紙一枚かくしてありますから、あれも佐兵衛のところへ持って行ってみて下さい。あの色紙は、茶屋の枕屏風《まくらびょうぶ》に張ってあったものですが、私はもてない腹いせに、ひっぱがして家へ持って帰ったのです。雪舟《せっしゅう》ではないかと
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