僕こそ大声で怒鳴ったりなんかして失礼した。わがままなんだよ。気にかけないでくれ。それから、その幽霊は、どうなるんだね? 話してくれよ。奇想天外じゃないか。」
 ホレ。「はい、その幽霊は、毎晩のようにハムレットさまの枕《まくら》もとに立ってそう申しますので、ハムレットさまは、恐怖やら疑心やら苦悶《くもん》やらで、とうとう御乱心あそばされたという根も葉も無い話でございます。」
 ハム。「あり得る事だ。」
 ホレ。「え?」
 ハム。「あり得る事だろうよ。ホレーショー、僕は何だか、気持が悪くなった。ひどい噂を立てやがる。」
 ホレ。「やっぱり、申し上げないほうがよかったんじゃないでしょうか。」
 ハム。「いや、聞かせてもらって大いによかった。汝、孝行の心あらば、か。ははん、ホレーショー、その噂は本当だよ。僕は、お人好しだったよ。」
 ホレ。「何をおっしゃる。つむじを曲げるとは、その事です。はしたない民の噂に過ぎません。どこに根拠があるのです。」
 ハム。「君には、わからん。僕は、くやしいのです。わからんだろうね。根も葉も無い事で侮辱をうけるのと、はっきりした根拠があって噂を立てられるのと、どっ
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