も気にする事はない。ただ、こんな事で、周君が学校がいやになったりなどすると困るから、その点は、君からよろしく周君をなぐさめ、鼓舞《こぶ》してやるのですね。手紙の件は黙殺して置いてもいいだろうが、また津田君なんか出しゃばって騒ぎを大きくしてもつまらないから、まあ、私から幹事に、その手紙を書いた者を捜すようにいってやりましょう。誰が書いたのかそんなことは私に報告する必要はないが、その書いた者は、周君の下宿に行き、よくノオトを調べて、自分の非をさとったら素直に周君と和解するように、まあ、そんなところでいいやないか? 幹事は、こんどは、矢島君でしたかね?」
その幹事が、手紙の主だから困るのだ。しかし、その矢島に、先生が犯人捜査を依頼するのもちょっと皮肉で、面白い結果になるかも知れないと思ったので、
「ええ、そうです。それでは、矢島君に、どうぞ。」と云って、くるりと廻れ右したら、背後から、
「周君だけでなく、君たちも皆もっと勉強しなけれあいかんな。各人自発、之を和という。」と、どやされた。
この事件が、周さんの心にどんな衝動を与えたか、それは私にもわからない。その頃の周さんの態度には、何か近
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