もさらなり、わが文部省、外務省も、清国政府に対し陳謝しなければならなくなるやも計り難い。実に、日支親善外交に、一大汚跡を、踏み残す事になる。君は之《これ》に就いてどう思うか、と言うのだが、まいどの事でもあり、私はれいのとおり、いい加減に聞き流して、
「周さんは、その手紙を見たのですか?」
「見た。きょう僕たちが一緒に学校から帰ったら、この手紙が下宿にとどいていたのだ。周さんはそれを帳場から受取って無雑作にポケットにいれて、階段を昇って行ったが、この時、僕には一種の霊感が働いた。ちょっと、と呼びとめた。いまの手紙をここで開封してくれ給え、と言った。周さんは、廊下に立ちどまり、黙って手紙の封を切った。そうして内容を、ほんのちょと読んで、破ろうとした。」
「そうでしょう。こんな不潔な手紙、誰だって破りたくなりますよ。」
「まあ、そう言うな。とたんに僕はその手紙を取り上げて読んで、きゃついよいよやりやがったな、と。」
「なあんだ。あなたは、この手紙の差出人を知っているらしいじゃないですか。」
「何を隠そう、知っているんだ。矢島だ。あいつだ。あの Landdandy さ。」
 そう言われて私は、
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