んは、まだお若いようですね。」どうも痛い。からめ手から来られては、かなわない。
「はあ、二十六です。」
「兄さんおひとりの承諾で大丈夫でしょうか。」本当に心配そうな口調である。この口頭試問の主任みたいな人は、よっぽど世の中の苦労をして来た人に違いないと僕は思った。
「それは大丈夫です。兄さんは、とても頑張《がんば》りますから。」
「頑張りますか。」ほがらかそうに笑った。他の二人のひとたちも、顔を見合せてにこにこ笑った。
「ファウストをお読みになったのですね? あなたがひとりで選んだのですか?」
「いいえ、兄さんにも相談しました。」
「それじゃ、兄さんが選んで下さったのですね?」
「いいえ、兄さんと相談しても、なかなかきまらないので、僕がひとりで、きめてしまったのです。」
「失礼ですけど、ファウストがよくわかりますか?」
「ちっともわかりません。でもあれには大事な思い出があるんです。」
「そうですか。」また笑い出した。「思い出があるんですか」柔和な眼で僕の顔を見つめて、
「スポーツは何をおやりです?」
「中学時代に蹴球《しゅうきゅう》を少しやりました。いまは、よしていますけど。」
「選手
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