ている。
一段又一段と落ちて来て、千の流《ながれ》になり
万の流になり、飛沫《とばしり》を
高く空中にあげている。
併《しか》しこの荒々しい水のすさびに根ざして、
七色の虹《にじ》の、
常なき姿が、まあ、美しく空に横《よこた》わっていること。
はっきりとしているかと思えば、すぐ又空に散って、
匂《におい》ある涼しい戦《そよぎ》をあたりに漲《みなぎ》らせている。
此の虹が、人間の努力の影だ。
あれを見て考えたら、前よりは好《よ》くわかるだろう。
人生は、彩《いろど》られた影の上にある!
[#ここで字下げ終わり]
「うまい!」横沢氏は無邪気に褒《ほ》めてくれた。「満点だ。二、三日中に通知する。」
「筆記試験は無いのですか?」へんに拍子抜けがして、僕は尋ねた。
「生意気言うな!」末席の小柄《こがら》の俳優、伊勢良一《いせりょういち》らしい人が、矢庭《やにわ》に怒鳴った。「君は僕たちを軽蔑《けいべつ》しに来たのか?」
「いいえ、」僕は胆《きも》をつぶした。「だって、筆記試験も、――」しどろもどろになった。
「筆記試験は、」少し顔を蒼《あお》くして、上杉氏が答えた。「時間の都合で、しないのです。
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