太《テモテ》後書二章十一、十二節)、キリストと共に棘《いばら》の冕《かんむり》を冠《かむら》しめられて信者は彼と共に義の冕を戴くの特権に与かるのである。
「我がために人汝等を詬※[#「言+卒」、50−5]《ののし》り又|迫害《せめ》偽わりて様々の悪言《あしきこと》を言わん其時汝等は福なり、喜べ、躍り喜べ、天に於て汝等の報賞《むくい》多ければ也、そは汝等より前《さき》の予言者をも斯く迫害《せめ》たれば也」と教えられた、天国は万事に於て此世の正反対である、此世に於て崇めらるる者は彼世に於て辱《はずか》しめらる、此世に於て迫害らるる者は彼世に於て賞誉《ほめ》らる、「或人は嬉笑《あざけり》をうけ、鞭打れ、縲絏《なわめ》と囹圄《ひとや》の苦を受け、石にて撃《うた》れ、鋸にてひかれ、火にて焚《やか》れ、刃にて殺され、棉羊と山羊の皮を衣て経あるき、窮乏《ともしく》して難苦《なやみくる》しめり、世は彼等を置くに堪えず、彼等は曠野《あらの》と山と地の洞と穴とに周流《さまよ》いたり」とある(希伯来《ヘブライ》書十一章三十六―三十八節)、是れ初代の信者の多数の実験せし所であって、キリストを明白に証明《あかし
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