こしか》けていらっしゃいます。厳格《げんかく》ですけれど、優《やさ》しい先生《せんせい》です。髪《かみ》はひっつめに結《ゆ》って、黒《くろ》の肩《かた》マントをしていらっしゃる、もうそれだけで、先生《せんせい》を敬《うやま》う気持《きもち》がおこると一しょに、先生《せんせい》がどことなく好《す》きになるのです。
ジャンセエニュ先生《せんせい》は、なんでもよくお出来《でき》になるのですが、この小さな生徒《せいと》たちに先《ま》ず計算《けいさん》の仕方《しかた》をお教《おし》えになります。先生《せんせい》はローズ・ブノワさんにこうおっしゃいます。
[#挿絵(fig46819_02.png)入る]
「ローズ・ブノワさん、十二から四つ引《ひ》いたら、幾《いく》つ残《のこ》りますか。」
「四つ。」と、ローズ・ブノワさんは答《こた》えます。
ジャンセエニュ先生《せんせい》はこの答《こたえ》ではお気《き》に入《い》りません。
「じゃ、あなたは、エムリーヌ・カペルさん、十二から四つ引《ひ》いたら、幾《いく》つ残《のこ》りますか。」
「八つ。」と、エムリーヌ・カペルさんは答《こた》えます。
そこで
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