《でき》るだけ彼女の話しっ振《ぷ》りをそのまま伝《つた》えることにしよう。これがまた素敵《すてき》なのである。
学校
誰《だれ》がなんといっても、ジャンセエニュ先生《せんせい》の学校《がっこう》は、世界中《せかいじゅう》にある女の子の学校《がっこう》のうちで一番いい学校《がっこう》です。そうじゃないなんて思《おも》ったり、いったりする者《もの》があったら、それこそ神様を敬《うやま》わないで、人の悪口《わるくち》をいう人だといってやります。ジャンセエニュ先生《せんせい》の生徒《せいと》はみんなおとなしくて、勉強家《べんきょうか》です。ですから、この小さな人たちがじっとお行儀《ぎょうぎ》よくしているところは、見ていてこんないい気持《きもち》のことはありません。ちょうど、それだけの数《すう》の小さな壜《びん》が並《なら》んでいるようで、ジャンセエニュ先生《せんせい》は、その壜《びん》の一つ一つへ学問という葡萄酒《ぶどうしゅ》をつぎ込《こ》んでいらっしゃるのだという気《き》がします。
ジャンセエニュ先生《せんせい》は高い椅子《いす》に姿勢《しせい》を真直《まっすぐ》にして腰掛《
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