き》を鎭《しづ》めて、近《ちか》くにゐる同志《どうし》の婦人達《ふじんたち》を招《よ》び集《あつ》めた。近所《きんじよ》から醫師《いし》も來《き》て、兎《と》も角《かく》應急手當《おふきふてあて》が施《ほどこ》された。
病氣《びやうき》は急激性肺勞《ギヤロツピングコンザンプシヨン》と診斷《しんだん》された。
然《しか》しその時《とき》の周圍《しうゐ》の事情《じじやう》は、病人《びやうにん》をK氏《し》の家《うち》に臥《ね》かして置《お》く事《こと》を許《ゆる》さないので、直《す》ぐに何處《どこ》へか入院《にふゐん》させなければならなかつた。
だが、入院《にふゐん》するとしても、誰一人《たれひとり》入院料《にふゐんれう》などを持合《もちあは》してゐる筈《はず》がないので、施療《せれう》患者《くわんじや》を扱《あつか》ふ病院《びやうゐん》へ入《い》れるより仕方《しかた》がなかつた。處《ところ》で一|番《ばん》先《さき》に、市《し》の結核《けつかく》療養所《れうやうじよ》へ交渉《かうせふ》して見《み》たが、寄留屆《きりうとゞけ》がしてないので駄目《だめ》だつた。そのうちにも、病人《びや
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