ように、元気《げんき》よくはね回《まわ》りながら、
「よう、こりゃこりゃ。」
とお酒《さけ》に酔《よ》ったような声《こえ》を出《だ》して、さもおもしろそうに踊《おど》りました。
だんだん鬼《おに》どももみんな釣《つ》り込《こ》まれて、いっしょに手拍子《てびょうし》を合《あ》わせながら、
「うまいぞ、うまいぞ。」
「しっかりやれ。」
こんなことをいいながら、はちきれそうな大笑《おおわら》いをして、おじいさんの踊《おど》りに夢中《むちゅう》になっていました。
踊《おど》りがすむと、おかしらも感心《かんしん》して、おじいさんに、
「こんなおもしろい踊《おど》りははじめてだ。じいさん、明日《あす》の晩《ばん》も来《き》て、踊《おど》りを踊《おど》るのだぞ。」
といいました。
おじいさんはとくいになって、
「へえへえ、おいいつけがなくともきっとまいりますよ。今晩《こんばん》は何《なに》しろ急《きゅう》なことで、おけいこをして来《き》ませんでしたから、明日《あす》の晩《ばん》までには、ゆっくりおさらいをしてまいりましょう。」
こういうと、その時《とき》右手《みぎて》の三ばんめに座《す
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