瘤とり
楠山正雄
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)ある所《ところ》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)一|面《めん》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)しち[#「しち」に傍点]
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一
むかし、むかし、ある所《ところ》に、一人《ひとり》のおじいさんがありました。右《みぎ》のほおにぶらぶら大きな瘤《こぶ》をぶら下《さ》げて、始終《しじゅう》じゃまそうにしていました。
ある日、おじいさんは山へ木を切《き》りに行きました。にわかにひどい大あらしになって、稲光《いなびかり》がぴかぴか光《ひか》って、ごろごろ雷《かみなり》が鳴《な》り出《だ》しました。そのうち雨《あめ》がざあざあ降《ふ》ってきて、うちへ帰《かえ》るにも帰《かえ》れなくなりました。どうしようかと思《おも》って見回《みまわ》しますと、そこに大きな木のうろを見《み》つけました。しかたがありませんから、その中に入《はい》って、雨《あめ》の小《こ》やみになるのを待《ま》っているうちに、いつか日《ひ》はとっぷりくれてしまいました。
深《ふか》
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