《き》いた。ではわたしもさっそく行って踊《おど》りを踊《おど》りましょう。おじいさん、その鬼《おに》の来《く》る所《ところ》がどこだか、教《おし》えておくんなさい。」
といいました。
「ああ、いいとも。」
とおじいさんはいって、くわしく道《みち》を教《おし》えてやりました。
おじいさんは大《たい》そうよろこんで、あたふた山へ出ていきました。そして教《おそ》わった木のうろの中へ入《はい》って、こわごわ鬼《おに》の来《く》るのを待《ま》っていました。
なるほど、話《はなし》に聞《き》いたとおり、夜中《よなか》になると、何《なん》十|人《にん》となく青《あお》い着物《きもの》を着《き》た赤鬼《あかおに》や、赤《あか》い着物《きもの》を着《き》た黒鬼《くろおに》が、貂《てん》の目のようにきらきら光《ひか》る明《あ》かりをつけて、がやがやいいながら出《で》てきました。
やがてみんなはゆうべのように木のうろの前《まえ》に座《すわ》って、にぎやかなお酒盛《さかも》りをはじめました。
その時《とき》おかしらの鬼《おに》が、
「どうした。ゆうべのじいさんはまだ来《こ》ないか。」
といいまし
前へ
次へ
全15ページ中13ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
楠山 正雄 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング