いで鏡《かがみ》の前《まえ》へ行って見《み》ますと、まあ、驚《おどろ》きました、頭《あたま》からしっぽの先《さき》まで真《ま》っ黒々《くろぐろ》と、目も鼻《はな》も分《わ》からないようになっているではありませんか。そこで烏《からす》は、よけい真《ま》っ黒《くろ》になっておこりながら、
「何《なん》だってこんな色《いろ》に染《そ》めたのだ。」
といいますと、ふくろうは、
「だって外《ほか》に類《るい》のない色《いろ》といえば、これだよ。」
といって、すましていました。烏《からす》はくやしがって、
「よしよし、ひとをこんな目に合《あ》わせて。今《いま》にきっとかたきをとってやるから。」
とうらめしそうにいいました。
その時《とき》から烏《からす》とふくろうとは、かたき同士《どうし》になりました。そしてふくろうは烏《からす》のしかえしをこわがって、昼間《ひるま》はけっして姿《すがた》を見《み》せません。
蜜蜂《みつばち》
むかし、むかし、大昔《おおむかし》、神《かみ》さまがいろいろの生《い》き物《もの》をお作《つく》りになった時《とき》に、たくさんの蜂《はち》をお作《
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