いろ》だの、いろいろなきれいな色《いろ》に体《からだ》を染《そ》めてもらいました。烏《からす》がそれを見《み》て、うらやましがって、もともと大《たい》そうなおしゃれでしたから、いちばん美《うつく》しい色《いろ》に染《そ》めてもらおうと思《おも》って、ふくろうの所《ところ》にやって来《き》ました。
「ふくろうさん、ふくろうさん。わたしの体《からだ》を、何《なに》かほかの鳥《とり》とまるでちがった色《いろ》に染《そ》めて下《くだ》さい。世界中《せかいじゅう》の鳥《とり》をびっくりさせてやるのだから。」
と、烏《からす》がいいました。
「うん、よしよし。」
とふくろうは請《う》け合《あ》って、さんざん首《くび》をひねって考《かんが》えていましたが、やがて烏《からす》をどっぷり、真《ま》っ黒《くろ》な墨《すみ》のつぼにつっ込《こ》みました。
「さあ、これでほかに類《るい》のない色《いろ》の鳥《とり》になった。」
とふくろうはいいながら、烏《からす》を引《ひ》き上《あ》げてやりました。烏《からす》はどんな美《うつく》しい色《いろ》に染《そ》まったろうと、楽《たの》しみにしながら、急《いそ》
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