さくなって、
「土《つち》でも食《た》べていろ。」
とおっしゃいました。すると、みみずは不足《ふそく》そうな顔《かお》をして、
「土《つち》を食《た》べてしまったら、何《なに》を食《た》べましょうか。」
としつっこくたずねました。すると神《かみ》さまはかんしゃくをおおこしになって、
「夏《なつ》の炎天《えんてん》にやけて死《し》んでしまえ。」
とおしかりつけになりました。そこで、みみずは土《つち》を食《く》って生《い》き、夏《なつ》の炎天《えんてん》に出ると、やけ死《し》んでしまうのだそうです。
すずめときつつき
むかし、すずめがせっせと鏡《かがみ》に向《む》かって、おはぐろをつけていますと、おかあさんが死《し》んだという知《し》らせが来《き》ました。びっくりして、おはぐろを半分《はんぶん》つけかけたまま、すずめはおかあさんの所《ところ》へ駆《か》けつけて行《い》きました。神《かみ》さまはすずめの孝行《こうこう》なことをおほめになって、
「すずめよ、毎年《まいねん》これから稲《いね》の初穂《はつほ》をつむことを許《ゆる》してやるぞ。」
とおっしゃいました。でもお
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