たい》そうおおこりになって、いったん帰《かえ》りかけた蛙《かえる》をお呼《よ》びもどしになりました。そして、蛇《へび》に向《む》かって、
「蛙《かえる》がおしりをしゃぶれといったのならかまわない。これから、おなかのへった時《とき》には、いつでも蛙《かえる》のおしりからまるのみにのんでやるがいい。」
とおっしゃいました。そこで蛇《へび》は大《たい》そうよろこんで、いきなり蛙《かえる》をつかまえて、おしりからひとのみにのんでしまいました。これで蛇《へび》の食《た》べ物《もの》がきまったので、神《かみ》さまがお帰《かえ》りになろうとしますと、小さな声《こえ》で、
「もし、もし。」
と呼《よ》びながら、地《じ》の中から出て来《き》たものがありました。それは、目の見《み》えないみみずで、目が不自由《ふじゆう》なものですから、こんなに来《く》るのに手間《てま》をとってしまったのです。
「もし、もし、神《かみ》さま、わたくしは、何《なに》を食《た》べたらよろしゅうございましょうか。」
とみみずがいいました。神《かみ》さまのお手には、なんにももう残《のこ》ってはいませんでした。そこで、めんどうく
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