しょう》頼光《らいこう》と、それについております四|天王《てんのう》の侍《さむらい》どもにかぎります。」
 と申《もう》し上《あ》げました。天子《てんし》さまは、
「なるほど頼光《らいこう》ならば、必《かなら》ず大江山《おおえやま》の鬼《おに》を退治《たいじ》して来《く》るに相違《そうい》ない。」
 とおっしゃって、頼光《らいこう》をお呼《よ》び出《だ》しになりました。
 頼光《らいこう》は天子《てんし》さまのおいいつけを伺《うかが》いますと、すぐかしこまってうちへ帰《かえ》りましたが、なにしろ相手《あいて》は人間《にんげん》と違《ちが》って、変化自在《へんげじざい》な鬼《おに》のことですから、大《おお》ぜい武士《ぶし》を連《つ》れて行って、力《ちから》ずくで勝《か》とうとしても、鬼《おに》にうまく逃《に》げられてしまってはそれまでです。なんでもこれは人数《にんずう》は少《すく》なくともよりぬきの強《つよ》い武士《ぶし》ばかりで出《で》かけて行って、力《ちから》ずくよりは智恵《ちえ》で勝《か》つ工夫《くふう》をしなければなりません。こう思《おも》ったので、頼光《らいこう》は家来《けらい
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