が門《もん》をあけて、お迎《むか》えに出ていました。
「まあ、おじいさん、よくいらっしゃいました。」
「おお、おお、ぶじでいたかい。あんまりお前《まえ》がこいしいので、たずねて来《き》ましたよ。」
「まあ、それはそれは、ありがとうございました。さあ、どうぞこちらへ。」
こう言《い》ってすずめはおじいさんの手《て》をとって、うちの中へ案内《あんない》しました。
すずめはおじいさんの前《まえ》に手《て》をついて、
「おじいさん、だまってだいじなのりをなめて、申《もう》しわけがございませんでした。それをおおこりもなさらずに、ようこそたずねて下《くだ》さいました。」
と言《い》いますと、おじいさんも、
「何《なん》の、わたしがいなかったばかりに、とんだかわいそうなことをしました。でもこうしてまた会《あ》われたので、ほんとうにうれしいよ。」
と言《い》いました。
すずめはきょうだいやお友《とも》だちのすずめを残《のこ》らず集《あつ》めて、おじいさんのすきなものをたくさんごちそうをして、おもしろい歌《うた》に合わせて、みんなですずめ踊《おど》りを踊《おど》って見《み》せました。おじいさん
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