舌切りすずめ
楠山正雄
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)子供《こども》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)すずめの子を一|羽《わ》
[#]:入力者注 主に外字の注記や傍点の位置の指定
(例)[#ここから4字下げ]
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一
むかし、むかし、あるところにおじいさんとおばあさんがありました。
子供《こども》がないものですから、おじいさんはすずめの子を一|羽《わ》、だいじにして、かごに入《い》れて飼《か》っておきました。
ある日おじいさんはいつものように山へしば刈《か》りに行って、おばあさんは井戸《いど》ばたで洗濯《せんたく》をしていました。その洗濯《せんたく》に使《つか》うのりをおばあさんが台所《だいどころ》へ忘《わす》れていった留守《るす》に、すずめの子がちょろちょろかごから歩《ある》き出《だ》して、のりを残《のこ》らずなめてしまいました。
おばあさんはのりを取《と》りに帰《かえ》って来《き》ますと、お皿《さら》の中にはきれいにのりがありませんでした。そののりはみんなすずめがなめてしまったことが分《わか》かると、い
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