な》をつがせてやりたいと思《おも》っておりました。そういうことでしたら、このとおりの腕白者《わんぱくもの》でございますが、どうぞよろしくお願《ねが》い申《もう》します。」
とさもうれしそうに言《い》いました。
金太郎《きんたろう》はそばで二人《ふたり》の話《はなし》を聞《き》いて、
「うれしいな、うれしいな。おれはお侍《さむらい》になるのだ。」
と言《い》って、小踊《こおど》りをしていました。
金太郎《きんたろう》がいよいよ碓井貞光《うすいのさだみつ》に連《つ》れられて都《みやこ》へ上《のぼ》るということを聞《き》いて、熊《くま》も鹿《しか》も猿《さる》もうさぎもみんな連《つ》れ立《だ》ってお別《わか》れを言《い》いに来《き》ました。金太郎《きんたろう》はみんなの頭《あたま》を代《か》わりばんこになでてやって、
「みんな仲《なか》よく遊《あそ》んでおくれ。」
と言《い》いました。みんなは、
「金太郎《きんたろう》さんがいなくなってさびしいなあ。早《はや》くえらい大将《たいしょう》になって、また顔《かお》を見《み》せて下《くだ》さい。」
と言《い》って、名残《なごり》惜《お》
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