金太郎
楠山正雄

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)金太郎《きんたろう》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)一|日《にち》
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     一

 むかし、金太郎《きんたろう》という強《つよ》い子供《こども》がありました。相模国《さがみのくに》足柄山《あしがらやま》の山奥《やまおく》に生《う》まれて、おかあさんの山うばといっしょにくらしていました。
 金太郎《きんたろう》は生《う》まれた時《とき》からそれはそれは力《ちから》が強《つよ》くって、もう七つ八つのころには、石臼《いしうす》やもみぬかの俵《たわら》ぐらい、へいきで持《も》ち上《あ》げました。大抵《たいてい》の大人《おとな》を相手《あいて》にすもうを取《と》っても負《ま》けませんでした。近所《きんじょ》にもう相手《あいて》がなくなると、つまらなくなって金太郎《きんたろう》は、一|日《にち》森《もり》の中をかけまわりました。そしておかあさんにもらった大きなまさかりをかついで歩《ある》いて、やたらに大きな杉《すぎ》の木や松《まつ》の木をきり倒《たお》しては、きこりのまねをしておもしろ
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