がっていました。
ある日|森《もり》の奥《おく》のずっと奥《おく》に入《はい》って、いつものように大きな木を切《き》っていますと、のっそり大きな熊《くま》が出て来《き》ました。熊《くま》は目を光《ひか》らせながら、
「だれだ、おれの森《もり》をあらすのは。」
と言《い》って、とびかかって来《き》ました。すると金太郎《きんたろう》は、
「何《なん》だ、熊《くま》のくせに。金太郎《きんたろう》を知《し》らないか。」
と言《い》いながら、まさかりをほうり出《だ》して、いきなり熊《くま》に組《く》みつきました。そして足《あし》がらをかけて、どしんと地《じ》びたに投《な》げつけました。熊《くま》はへいこうして、両手《りょうて》をついてあやまって、金太郎《きんたろう》の家来《けらい》になりました。森《もり》の中で大将《たいしょう》ぶんの熊《くま》がへいこうして金太郎《きんたろう》の家来《けらい》になったのを見《み》て、そのあとからうさぎだの、猿《さる》だの、鹿《しか》だのがぞろぞろついて来《き》て、
「金太郎《きんたろう》さん、どうぞわたくしも御家来《ごけらい》にして下《くだ》さい。」
と
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