と、おばあさんはいいました。
 そこでおじいさんとおばあさんは、あわててお湯《ゆう》をわかして、赤《あか》ちゃんにお湯《ゆう》をつかわせて、温《あたたか》い着物《きもの》の中にくるんで、かわいがって育《そだ》てました。瓜《うり》の中から生《う》まれてきた子だからというので、瓜子姫子《うりこひめこ》という名前《なまえ》をつけました。
 瓜子姫子《うりこひめこ》は、いつまでもかわいらしい小《ちい》さな女の子でした。でも機《はた》を織《お》ることが大《だい》すきで、かわいらしい機《はた》をおじいさんにこしらえてもらって、毎日《まいにち》、毎日《まいにち》、とんからりこ、とんからりこ、ぎいぎいばったん、ぎいばったん、機《はた》を織《お》っていました。おじいさんはいつものとおり、山へしば刈《か》りに出《で》かけます。おばあさんは川へ洗濯《せんたく》に出《で》かけます。瓜子姫子《うりこひめこ》はあとに一人《ひとり》、おとなしくお留守番《るすばん》をして、あいかわらず、とんからりこ、とんからりこ、ぎいぎいばったん、機《はた》を織《お》っていました。
 おじいさんとおばあさんは、いつも出《で》がけに
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