いって、そのまつを切って、うす[#「うす」に傍点]をこしらえました。そうして、
「白《しろ》はおもちがすきだったから」
といって、うす[#「うす」に傍点]のなかにお米を入れて、おばあさんとふたりで、
「ぺんたらこっこ、ぺんたらこっこ」
と、つきはじめますと、ふしぎなことには、いくらついてもついても、あとからあとから、お米がふえて、みるみるうす[#「うす」に傍点]にあふれて、そとにこぼれ出して、やがて、台所《だいどころ》いっぱいお米になってしまいました。
三
するとこんども、おとなりの欲《よく》ばりおじいさんとおばあさんがそれを知ってうらやましがって、またずうずうしくうす[#「うす」に傍点]をかりにきました。人のいいおじいさんとおばあさんは、こんどもうっかりうす[#「うす」に傍点]をかしてやりました。
うす[#「うす」に傍点]をかりるとさっそく、欲ばりおじいさんは、うす[#「うす」に傍点]のなかにお米を入れて、おばあさんをあいてに、
「ぺんたらこっこ、ぺんたらこっこ」
と、つきはじめましたが、どうしてお米がわき出すどころか、こんどもぷんといやなにおいがして、なかから
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