ょうな声で歌う声がした。だれだろう。なんというふしぎな声だろう。
「アーサじゃないかしら」とマチアが聞いた。
「いいや、アーサではない。ぼくはこれまであんな声を聞いたことがなかった」
けれどそのうちカピがくんくん言い始めた。はげしい歓喜《かんき》の表情《ひょうじょう》のありったけを見せて、かべに向かってとびかかっていた。
「だれが歌を歌っているのだ」と、わたしはもう自分をおさえることができなくなってさけんだ。
「ルミ」と、そのときそのきみょうなか細い声がさけんだ。いまのわたしのことばに返事をする代わりに、わたしの名前を呼《よ》んだのだ。
マチアとわたしはかみなりに打たれたようにおたがいに顔を見合わせた。わたしたちがあっけにとられて、てんでんの顔を見合ったまま立っていると、かべの向こうにハンケチが一|枚《まい》ひらひらしているのが見えた。わたしたちはそこへかけ出して行った。わたしたちは、園《その》の向《む》こう側《がわ》を取り巻《ま》いているかきねのそばまで行ってみて、初《はじ》めてハンケチをふっている人を見つけた。
「リーズだ」
とうとうわたしたちはかの女を見つけた。もう遠くない
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