は、白鳥号の便《たよ》りを聞いた。それはほんの六週間わたしたちよりまえにそこを通ったのであった。それではいよいよスイスまで行かないうちに追い着くかもしれないと思った。そのときはまだ、ローヌ川からジュネーヴの湖水までは船が通らないことを知らなかった。わたしたちはミリガン夫人《ふじん》がまっすぐに船でスイスへ行ったものと思っていた。
するとそのつぎの町でふと白鳥号の姿《すがた》を遠くに見つけたとき、どんなにわたしはびっくりしたであろう。わたしたちは河岸《かし》についてかけ出した。どうしたということだ。小舟《こぶね》の上はどこもここも閉《し》めきってあった。ろうかの上に花もなかった。アーサはどうかしたのかしらん。わたしたちはおたがいに同じようなしずみきった顔を見合わせながら立ち止まった。
するとそのとき船を預《あず》かっていた男がわたしたちに、イギリスのおくさんは病人の子どもと、おしの小むすめを連《つ》れてスイスへ出かけたと言った。かれらは一人女中を連れて、馬車に乗って行った。あとの家来は荷物を運《はこ》びながら、続《つづ》いて行った。
これだけ聞いて、わたしたちはまた息が出た。
「そ
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